ここ数年前からささやかれていたが、いよいよ心肺蘇生時の実施事項から「人工呼吸」が外れそうだ。胸骨圧迫時にある程度の換気が期待できることや口対口人工呼吸に対する心理的抵抗もその理由に上がる。以前、「たとえフェイスシートを使ったとしても喫煙者に口対口呼吸をするのは絶対に嫌」という意見があった。もっともだと思う。医療は、日々刻々と変わっていく。我々の行う行為に変更があると「今では間違っていたことをやっていたのか?」という戸惑いを持つ人も少なくない。褥瘡や栄養に対する考え方はこの10年でずいぶん変わった。大事なことは、「今まで間違っていたことを行っていた」のではなく、「より最善の方法が見つかった」と考えられる柔軟性だ。「人工呼吸を行ってはダメ」ではなく、「やらなくても成績に大差はないらしい、心理的抵抗があるならやらなくていいよ」と考えておく余裕がほしい。ただ、この流れで気になるのは、100%の酸素を持っている場合はどうなのか?ということ。今後、ガイドラインが整備されると思うが、複雑にならないプロトコールに期待したい。