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第4回 日本循環器看護学会 学術集会
循環器看護の未来を拓く

−患者満足へのあくなき挑戦−
≪学会プログラム≫
会長講演  道又 元裕(ゆきひろ)氏
循環器看護の未来を拓く
〜侵襲に対する生体反応との出会いから思う〜

道又氏は、看護師になる前は形成外科の研究を手伝う仕事をしていたと自己紹介がありました。 全身熱傷における激しい生体反応を目の当たりにし、看護師を志し、東京女子医大のICUなどで修行を積む。 クリティカルケアに本気で関わる中で様々な疑問に出会い、その疑問を一つ一つ解消し、 侵襲を中心とした道又氏の知識体系が確立してくる。 会長講演は、一看護師であるわたしには、少し難しく感じる部分もあった。 しかしながら、様々な切り口から紹介していただけた生体反応の話は、臨床の看護師にとって必要な知識であることを再認識させられた。 以前、気道管理の話を聞かせていただく機会があった。そのときの話も非常にわかりやすく面白かった。 もし、先生の話を聞く機会がありましたらぜひ聞かれてください。

→道又氏の著書

特別講演 小柳 仁氏
心臓にいい話

小柳氏は、聖路加国際病院、東京女子医大を歴任した日本を代表する心臓外科医でる。 あの日野原重明先生の弟子でもあるそうだ。 日本の医療は前後大きな進化をとげ、心臓外科も目覚しく発展した。 今では、助かるのが当たり前の心臓大血管外科も40年前は、そうではなく多くの苦労があり、少しづつ進化をとげた。 その生き証人と言っていいであろう小柳氏の話を聞くことができた私は、循環器に興味のある看護師として幸せだった。

小柳先生は「看護師」についても特別な価値観をもっている。 それは、43年前の聖路加国際病院の看護師の献身的な働きぶりにあるようで、尊敬の念を持っておられるようです。

小柳先生の言葉は、全てが重く心に響いた。 特に「教育とは知識の切り売りではない」とお言葉。確かに・・・。 クラーク博士の弟子や松下村塾の卒業生には優秀な思想家が多く育っているらしい。 きっと小柳先生のお弟子さんたちもそうなのだろうと感じる強い言葉が端々に見られた。 「私も頑張ろう」と会場の全ての人が思ったに違いない。 日本の心臓外科の歴史と言っても過言ではない小柳先生の講演スライド、少し紹介させていただきます。

小柳先生は最近本を出されました。 本当は、「渾身の心臓外科」というタイトルにしたかったそうですが、編集者の意向で「心臓にいい話」になったそうです。 う〜ん、「渾身の心臓外科」がよかったなぁ・・・。

「心臓にいい話」(新潮新書) 714円
【講師・演者の皆様をちょっとだけご紹介】
【シンポジウム風景】
レベルが高い・・・。循環器は難しい部類の看護だと思います。 しかし、妥協することなく看護師の存在価値を高めるために、多方面つまり、医学や看護学の知識は当然、心理学や経済学の知識を絡めて実践する。 そのために、自分たちに何ができるのか?何をしなければいけないのか? と真剣に意見を交換されていました。今の医療情勢は厳しいと思います。 しかしながら、今回の話を伺うと、この厳しさが「看護師と看護」を育てているんだと実感しました。 確かに今の臨床は大変かもしれません。
しゃがむのは、より大きく跳ぶために・・・凹むのは、より大きな器となるために・・・頑張っていきましょう。
【学会風景】
今回の学会は、パネルディスカッション、シンポジウム、演題発表そして新人のための教育セミナーと内容盛りだくさんでした。 第一会場のディスカッションやシンポは気になるし、演題発表も様々な取り組みが紹介されている。 教育講演も同時にやっていて・・・ととてもひとつの体ではたりませんでした。 循環器看護の初学者も十分学べるし、長年働いて来た方も、シンポジウムに参加するなどして自分の看護を見直す機会となったのではないでしょうか? 循環器に興味のある方であればどなたでも参加する価値のあるすばらしい学会でした。 来年は、青森だそうです。
≪東京ビックサイト≫

ゆりかもめから東京湾やレインボーブリッジ、フジテレビ社屋などを眺めつつ、特徴ある造形の東京ビックサイトに行ってきました。 未来へと開発の進む湾岸地域を見ていると自分がいかにちっぽけなのかを感じますね。 天候にも恵まれよい観光になりました。ちょっと遠いですけどね・・・。
ビックサイトのロビーやエレベーターの案内図には「AED」の場所を示すステッカーが貼ってありました。 確かに重要なことだと思います。 一応私は、こういった施設に行ったときにはAEDの有無とその場所を確認することにしています。 時代ですね。
ただ、残念なこともありました。 右の写真の上のほうに喫煙所を示すマークもあり、広々とした喫煙所も館内にありました。 さすがに循環器看護学会の会場は禁煙になっていましたが参加者が喫煙所に入っていくのは見ていて心が痛みました。 まあ、過渡期なのでしょう・・・。
【編集後記】
私は、准看護学生のときに「循環器疾患」が苦手だった。 はっきり言って体循環・肺循環も理解しないままどうにか進級したのを覚えている。 しかし、祖父が心筋梗塞になったことをきっかけに循環器に興味をもち、その後、循環器病棟、手術室、ICUで勤務することになった。 呼吸療法士の取得や禁煙支援などにも大きな影響をもたらした。 循環器看護は面白い。今回、そのことを改めて感じた。循環器領域に必要とする知識は幅が広い。 しかし、世の中のエキスパート達はそれを克服し、進化させ、 今回のメインテーマである「患者満足へのあくなき挑戦」つまり、助けるだけではなくいかに患者さんに 「満足していただくか?」を目標にするまでに成長した。まだまだ手探りの部分はあるだろう。 しかし、循環器看護の目標を「患者満足」とすることは、コンセプトが明確になっている。 今回は、お世辞にも満席とは言えず空席が目立った。 しかしながら、この学会は近い将来、必ず新人からベテランの看護師が押し寄せるだろう。 聞きたい演題が多く、全てに参加できなかったのが非常に残念でした。 また、参加させていただきます。あおやぎ
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