「足病変とフットケア」
【フットケア領域】 新古賀病院 石橋理津子さん | |
![]() |
創傷治療センター(通称:足外来)看護師長 褥瘡認定看護師 日本フットケア学会フットケア認定指導士 日本静脈学会認定弾性ストッキング・コンダクター ![]() |
Vol.4 2010年3月 | 「足が痛いとき」足の爪 |
爪は毎日、約0.1mm伸びるといわれています。足に比べて指、女性に比べて男性が、冬より夏のほうが伸びるそうです。爪甲全体の再生には6~12ヶ月かかります。 爪の役割は外的障害からの保護だけではなく、指趾の機能にも関与します。従って、爪がなんらかの原因によって剥がれかけたとしても安易にとることはできません。爪甲は爪母という部分で作られているため、爪が剥がれかけたとしてもテープなどで固定していると再び健康な爪となることもあります。 爪は人それぞれ形がちがいます。平坦な人・爪が大きいひと・小さい人・厚いひと様々です。また色調の変化もみられることがよくあり、白濁・緑色・黄色・黒色変化などは何らかの疾患のサインかもしれません。 貧血やビタミン欠乏症の場合陥没がみられたり、内分泌障害で爪工が湾曲したりと変形をきたすこともあります。 最も爪の疾患でポピュラーなものといえば、「巻き爪」ですね。 これは足にあわない靴、たとえば先端の細いハイヒールなどをはいていると爪が巻きやすくなります。またスポーツで過剰な圧がかかることも要因のひとつであり、若い人にも多くみられます。また爪を深く切ったり、角を過剰に切り落としたりすると巻き爪の原因となります。 ![]() ワイヤーやプレートでは1ヶ月程度で爪の矯正が可能です。しかし、爪がもろい低栄養、または高齢者などはワイヤーの矯正力で爪が割れてしまうケースもありますので患者さんに応じた治療方法を選択します。 ![]() |
|
|
|
爪のきりかた![]() ①はスクエアカット ②は深爪 ③はバイアス切り 最もいい切り方は①になります。 皆さん、深爪になっていませんか?白いところが残っていると、ついつい切ってしまう。といった患者さんが非常に多いですね。爪の長さの目安は足趾先端と爪の先端が同じ位置であることを目安としましょう。切り過ぎていませんか? ![]() 高齢者の爪は硬く肥厚し、爪きりでは切れないことが多々あります。そのような場合はニッパーを用い、ニッパーの先端で少しずつ切り込みをいれカットしていきましょう。 また、肥厚が極端にひどい場合は、グラインダーなどを用いて削ってもOKです。 誤って傷を作らないためにも、必ず人に切ってもらうように指導しましょう。 巻き爪が進行し、爪の甲の先端などが周囲の軟部組織に食い込み疼痛・炎症・肉芽の異常増殖などを起こし2次感染を起こしたものが、「陥入爪」といわれるものです。これは薬剤性で起きることもあります。抗癌剤治療でもちいられるイレッサの副作用として陥入爪を引き起こすケースもあります。 治療方法は軟部組織を刺激している部分に隙間をつくり爪の先端、辺縁を矯正することが治療となります。
![]() 治療をおこなってくれる診療科は皮膚科、またはフットケア外来のある病院、形成外科などで治療は可能です。 (※フットケア外来を行っている病院の一覧は日本フットケア学会HP http://footcare.main.jp の「口コミ病院リスト」をご参照ください。) 入浴後でも足の爪には汚れが結構残っています。 足の爪まで石鹸で入念に洗うこと、足にあった靴を選ぶこと、定期的にケアが可能な施設へ通うことが必要です。 巻き爪は一度発生すると、治療後治癒しても再発する可能性が高いのです。爪の切り方などは個人で癖がありますね。深爪の方などは「深く切らなければ切った気がしない」とおっしゃる方が非常に多いです。そしてまた巻き爪になってしまう・・・、再発しないためにも予防的なフットケアをお勧めします。 |