<看護師~ひと~> インタビュー&お仕事紹介
近森会 近森病院 看護師/保健師 認定看護管理者、看護学博士 産業カウンセラー、禁煙学会専門看護師 など 久保田 聡美さん 訪問日 平成20年1月15~24日 |
【病院の概要と本人紹介】
上記に紹介させていただきましたように多くの「顔」をもつ久保田看護師。
なんと今年大学生になるお子さんを初めとして4人の母親でもあります。
仕事に学業にプライベートにと一切の妥協のないまさにスーパーウーマンだと思います。
頑張っている看護師は、たくさんいると思いますがなかなか久保田さんのようにマルチな活躍を見せる人も少ないのではないでしょうか?
記者である私と久保田さんの出会いは、「禁煙支援」でした。
久保田さんは、もともとストレスについて研究しておられて、その過程で喫煙行動は、ストレスの解消にならず、むしろストレスの温床になっていることを知り、禁煙支援を始めたそうです。
久保田さんは、「原因の本質」を鋭く見抜き、対処方法を考えます。
まさに、管理職になるために生まれてきたような人でした。
久保田さんのようになろうとするのではなく、「こういう人もいるんだ・・・」というスタンスで読んでみてください。近森会近森病院については、こちらをご覧ください。 |
久保田師長の朝は早い。毎朝7時30分には病院に入り、書類の整理や昨夜の報告など早急に対処すべき問題がないかどうかをチェックする。
その後、外来の朝礼に参加し、当直帯の報告を受け、病院内の空きベット状況や緊急入院になった患者さんの状況を確認する。
その後がすごい。前日に入院になった人「全員」に挨拶に伺う。
つまり、入院患者さんは、必ず久保田師長と顔を合わせることとなる。
病院は、338床で取材中の稼働率は100%近かった。
入退院も相当な人数でしたが、患者さんを看ることは、看護師の基本、管理の基本ということを実践していました。 各病棟師長と関連病院の師長との病床会議 病棟は、それぞれ専門で分かれているが、病床稼働率が100%近くになると、本来の病棟に入れるとは限らない。 そこで、毎日病床会議を開き、それぞれのベットの状況や入院・退院情報を共有する。 そんな時、病院全体の状況を把握している久保田さんが大きな情報源となる。 マネジメントを考えるうえで必要なものに「情報」があります。 いつの時代でも、どんな職場でも同じですね。全体のかじ取り役がいるということの重要性を感じました。 主任会議 主任というのは、看護の現場と管理をつかさどる重要な役割がある。 病院の想いを久保田さんが主任に伝え、いかに効率的に実践できるかが重要であり、久保田さんも熱が入る。 現場の声を管理職に伝え、検討すると言う機会は決して多くはない。 主任会議が有効に機能するかどうかが、病院の成長のひとつの鍵でしょうね。 スタッフがあるランチョンセミナーで発表することになり、資料を添削する久保田さん 取材中印象的だったのが、とにかくスタッフに相談を受ける機会が非常に多かったことだ。 管理職であるから当然といいえば当然ですが、それでも聞きやすい雰囲気があるのでしょう。 気兼ねなく相談できるということは、スタッフの安心感につながりますし、臨床と研究の双方から見た意見をいただけるのは、大きなメリットですよね。 急性期は、ベットコントロールが大変です。昨日、必死の思いであけたベットも一晩たてばまた満床。 救急車のたらいまわしが全国的に問題となっていますが、「高知県でも、対岸の火事ではない。」 とスタッフに意識させ、知恵を絞っていました。こういう努力が円滑な医療を生んでいるのですね。 救急車のたらいまわしは、病院が悪いように書かれることもありますが、メディアには、こういった姿勢も伝えてほしいですね。 近森病院に書籍が多いのは、病院紹介のとおりですが、膨大な書籍も探せなければ意味がありません。 パソコンでささっと検索できるもの魅力です。 また、検索されてきたものの中から、自分が必要としている本がどれなのかを見つけるには、それなりの数の本を読む必要があるでしょう。 経験年数の少ない看護師にとって、膨大な本を読んできた久保田さんの推薦本は、大きな力となると思います。 取材中も、適切なアドバイスをしておられました。 |
«久保田 聡美さんにインタビュー»
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高知女子大学 池キャンパス(看護学部) 高知女子大学は、日本で始めて大学による看護学の教育を始めた歴史ある教育機関です。 南裕子世界看護師協会長や 久常節子看護協会長 らを輩出した名門で久保田さんも、同大学の卒業生で取材したときは、博士課程の論文で大忙しの毎日でした。 看護大学の研究室に初めて入りましたが、よくわからない乱数表やおびただしい量の資料に圧倒されました。 大学にいると外国の資料もすばやく手に入れられるのが魅力だそうですが、 「博士課程」ともなると本格的だなぁ・・・とまるきり素人の私・・・。 |
そしていよいよ博士課程論文提出の日! 長く険しい道のりだったことだと思いますが、無事この日を乗り切れて安堵のこの笑顔ですね。 取材後、「論文の最終審査が無事通りました!」と報告のメールが来ました。 私は何もしていませんでしたが、その最後の数日に少しもかかわることができ、なんだかうれしくなりました。 これで晴れて「看護学博士」となり、今後はその経験と知識を近森病院総看護師長として十分に発揮してくれることでしょう。 おつかれさまでした。そしてこれからも頑張ってください! |
近森会 近森病院 【所在地】 〒780-8522 高知市大川筋1-1-16 TEL 088-822-5231(代)/ FAX 088-872-3059 理事長/院長 近森 正幸 【病床数】338床 【診療科】内科・循環器科・消化器内科・神経内科・整形外科・外科・小児外科・形成外科・ 呼吸器内科・呼吸器外科・消化器外科・消化器外科・脳神経外科・心臓血管外科・ 放射線科・麻酔科・泌尿器科・皮膚科・リハビリテーション科・ER(救急センター) |
【編集後記】
坂本竜馬を生んだ高知県、高知では男勝りの女性を「はちきん」と言うそうです。
その理由は、「男4人分の力」がある。つまり八つの○玉で「はちきん」なんですって・・・。
私と久保田さんの共通の知人と久保田さんの話をしていると「彼女は、はちきんやから・・・」と言っていました。
まさしくそうだとうなずいてしまいました。今、日本の医療業界・看護業界は大きな荒波の中にいると思います。
ただ、それでも理想の医療を求めて知恵を絞るものは少なくありません。
日本の医療の夜明けは、きっとそう遠くない未来なのでしょう。
「僕も、頑張らねば・・・」と気合の入る四国取材となりました。
坂本竜馬像が、明日の看護を見つめる久保田さんに見えるのは、気のせいでしょうか?
あおやぎ
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