carenet



«前の記事へ        

<看護師~ひと~>  インタビュー&お仕事紹介

近森会近森病院

ハートセンターCCU
看護師長 工藤 淑恵さん
訪問日  平成22年2月8日
救急車400台、循環器内科、心臓血管外科を中心とした集中治療室である近森病院ハートセンターの中核を担うCCU看護師長 工藤 淑恵さん。 多忙な医師と看護師、コメディカルとの連携、そして平均在室日数4.3日のベットをコントロールする。

多くの患者さんを受け入れたいが、限界はある。看護スタッフの心労をくみ取りながら、スタッフに負担が重ならないよう、心がけているという。そんな多忙なCCUスタッフを支えるのは、家族からの手紙。亡くなってしまう方も当然おられるわけですが、「家族看護に力を入れて行こう」という方針のもと、家族へのケアが、結果的に看護スタッフの原動力になっていると自信をのぞかせる。スタッフへの教育も熱心で、スタッフからの信頼も厚い。

今後は、5年後に控える集中治療室の増床に向けて、ICUナースの育成に力を入れて行きたいとのこと。そのためには、他職種との連携、看護師間でも連携が重要と話す。院内で循環器の認定制度も生まれており、ER、カテーテル室、CCU,病棟とマルチに活躍できる看護師を育てていきたいとのこと。

多忙なCCUを支えるスタッフたち。医師や看護職はもちろん、臨床工学技士、理学療法士、栄養士が入れ替わり立ち替わりでそれぞれの専門性を発揮、質の高い医療を展開する。

【NSTカンファレンス】
理事長も参加するNSTカンファレンス。医師、看護師、薬剤師、検査技師、理学療法士そして管理栄養士がそれぞれの立場で意見をのべる。理事長曰く、「リハビリと栄養管理をしっかりやれば患者はよくなる」と。今でこそリハビリや栄養管理に注目が集まるが、近森病院では、以前からの常識だ。聴診器を持ってアセスメントをしてチームに意見する管理栄養士のレベルの高さに驚きました。

【血液型別のネームプレートカラー】
CCUを取材していて、「患者さんごとにネームの色が違う」ことに気がつきました。輸血を開始する場合は、当然血液型の検査結果と照合するわけですが、当然思い込みでミスは発生するわけです。第3者が見て、一目で輸血ミスが判断できる材料があることは、インシデントの予防になるでしょう。
【編集後記】
救急外来、予定PCI,予定手術を含め、CCUは、出入りが激しい。患者さんの情報を短時間で正確に把握し、それを他人に伝えるスキルが求められるCCUナース。ピリピリしたムードが漂いがちだが、こちらは、チーム医療の精神が浸透しており、医師とのカンファレンスや他職種との連携もスムースでした。今後、近森病院の集中治療は、5年以内にICU/CCU/HCUが、大幅に増床されるとのこと。師長である工藤さんの気苦労が絶えることはないかもしれませんが、看護師がのびのび働ける風土は、今後も大切にしていってほしいですね。
あおやぎ
«前の記事へ