看護どっと合言葉 > 学会訪問記 > 第3回 禁煙指導者研修会 | |
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第3回 学会訪問記 訪問日 2007年9月2日
第19回 禁煙指導者研修会(みやこ禁煙学会)
ナースとタバコ 〜大きなパワーが今動き出す〜 |
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【場所】 京都府京都市キャンパスプラザ京都 | |
NPO法人京都禁煙推進研究会 の開催する第19回禁煙指導講習会(みやこ禁煙学会)に参加してきました。 今回は、禁煙支援に大きな力を果たすであろう「看護師」による演題が多く、各施設での取り組みが紹介され、 皆さん熱心にディスカッションしておりました。 看護師は、患者さんに一番近い存在です。禁煙が失敗しそうなとき、そっと寄り添い共感的理解のできるスキルが必要です。 また、自身の喫煙率が高いことでも有名です。「タバコとはなにか?」この研究会のメインテーマ ナースとタバコ 〜大きなパワーが今動き出す〜 ご覧ください。 | |
京都禁煙推進研究会の皆さんが書かれた本です。読みやすくておススメです。 新版 卒煙ハンドブック NPO法人京都禁煙推進研究会 1000円 |
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【一般演題】 | |
当院における敷地内完全禁煙化の歩み 近江八幡市立総合医療センター・禁煙推進委員会 細川洋平氏 病院の新築移転に伴い、敷地内禁煙を掲げ、その歩みについて紹介があった。 医師・看護師・薬剤師・放射線技師・検査技師等で構成される禁煙推進委員会が中心となり、吸殻拾いや近隣の学校等へ禁煙講演を行い、 禁煙の必要性を広めると共に、院内において市民健康講座を開催したり、講習会を行った。 そのため、敷地内での禁煙は進んだがまだ敷地外に出て喫煙する職員や患者さんがいるとのことで、現実は難しいとの報告だった。 しかしながら、あきらめるわけではなく、今後も地道に活動を続け、 患者さんへの組織立った対応ならびに地域と連携して地域全体の喫煙率が低下するよう目標を持って頑張って行きたいとのことでした。 |
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城北病院禁煙外来の実際 〜禁煙外来における看護師の役割〜 康生会 城北病院 師岡康江氏 禁煙外来の実際の流れは、@診察予約、A当日受診B問診&カウンセリングC呼気CO濃度測定D次回外来予約E必要時ニコチンパッチの処方となっている。 禁煙外来は、患者用パスを用い、12週に渡る外来受診の説明やニコチンパッチの使用方法、禁断症状出現時の対処法などを指導している。 当院の特徴として、禁煙開始日の数日後の電話カウンセリングと禁煙治療終了時の卒煙証書授与式を行っている。 師岡氏は、看護師の喫煙者は減ってきた。しかし、そのことで他人事になっているとも感じる。 禁煙支援に関われる幸福を感じることが必要と話した。受診する側にとって看護師の態度や知識が大きな因子であると経験を話した。 |
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禁煙外来開設 〜その取り組みと結果〜 西京病院 高垣里子氏 平成18年4月に禁煙外来を開設し、運営上の問題点を解決するためにサポートチームを結成、1年が経過した経験を報告。 問題点として「禁煙治療のための標準手順書」に添付の帳票だけでは情報が不十分であることや医師と専任看護師だけでは 患者ニーズに対応しきれないという現状が出現した。そこで、帳票を見直し、資料を追加で作成。 また、医師と看護師に加えて薬剤師、医事科、健康管理化より専任担当を選出し、サポートチームを結成した。 帳票のおかげて医師は、患者問題に焦点を当てた診察を行うことが可能になり、看護師の業務の負担が軽減したと言う。 今後は、クリニカルパスを導入するのが目標だ。 |
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名古屋医療センター禁煙外来における医療連携 国立病院機構 名古屋医療センター 谷口千枝氏 当院禁煙外来は、患者管理・入院患者対応・禁煙カウンセリングなど看護師の介入を大きな特色としている。 看護師は、患者さんと医師、栄養士のコーディネート役であり、専用PHSを使用して電話でのサポート体制も充実している。 なかでも、カウンセリングに力を入れており「患者さんに考えていただく」行動科学を応用したカウンセリングを実践している。 事実、看護師がカウンセリングを充実させてから医師の診察時間は短時間ですむようになり、禁煙外来の回転率も上昇し、禁煙成功率も上昇したと言う。 また、薬剤師や栄養士との連携もよく、患者さんに最もよい禁煙支援が提供される。一人の患者さんに多くの職種が関われることが、禁煙率アップのコツだと言う。 確かに、一人に言われるより多くの専門家に言われたほうが事の重大さを感じる。 |
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禁煙指導に対する現状報告 京都府医師会看護専門学校 塩田京子氏 本校は、准看護科、2過程、3年過程を併せ持つ看護学校であるが入学してくる学生の社会背景や年齢が様々であり、喫煙率も低くはないという現状があると報告。 喫煙率は実に30%を超えており、喫煙の害や禁煙の必要性については話をしているが、実際に禁煙をには至っていないと言う。 また、学校の近隣の住民からは、タバコのポイ捨てなどを注意されており、実際に近くの公園で喫煙している学生を見かけることもあると言う。 今後は、健康を預かる専門職業人として自覚していけるような禁煙啓発活動を継続して行い、喫煙率の減少につながるような指導を心がけたいとのことであった。 |
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看護職者による禁煙支援の促進に向けて 新潟大学医学部保健学科看護学専攻 関島香代子氏 看護職者は、世界的に見て高喫煙率であると指摘されている。本邦においても、一般女性が13.4%であるのに対して24.5%と10%以上も高い。 そのため、職場内の喫煙率ゼロを目指した「看護職者のアクションプラン」が立案されたがいまだに喫煙率は高い。 現状として、禁煙支援関わる知識や技術が未熟でほとんど知らないものが半数を超えると言う。 そこで、今後の取り組むべき課題として@看護過程に載せるA退院後のケア体制を整えるB臨床と職能団体、教育研究者の相互方向の情報交換と継続した取り組みが必要であるとのことと提案した。 看護師が喫煙の害に気がつき、禁煙を実践、そして患者支援を充実させる。 これが当たり前の日が少しでも早く来て欲しいものです。 |
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看護職喫煙問題に対する京都府看護協会の取り組み 京都府看護協会 毛利貴子氏 2003年度の京都府下に勤務する看護師の喫煙率が高かったことを受けてアクションプランを実施した。 内容は、「国民の健康を守る専門職としてのタバコ対策の推進・看護学生の防煙・禁煙教育の推進」を基本方針として目標と行動を設定。 禁煙教育の研修会や施設の全館禁煙への呼びかけ、看護学生への防煙・禁煙教育の実施、禁煙支援リーダー研修会の開催、ポスター・ステッカーの掲示、禁煙方法の冊子の紹介や配布を行った。 3年後、、喫煙率は下ったが当初の目標であった「半減」は達成できなかった。 今後も継続的に関わり、積極的に看護職の禁煙サポートを展開し、心身の健康を向上させたいと力強く宣言。 |
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ナースのストレスと喫煙 高知県近森病院 看護師長 久保田聰美氏 多忙な職場環境で働く看護職は、ストレスを理由にタバコ対策が進まない現状がある。 そこで、ストレス調査を実施し、喫煙状況との関連を調査。喫煙者は、非喫煙者にくらべ上司や同僚からの正当な評価、困難な状況における同僚からの支援、昇進の見込み、 自分への仕事への評価、給与の妥当性に関して低いと感じていることがわかった。 また、酒やタバコが、ストレスを解消するのに効果的だとも判断しているとのことだった。 この環境をいかに変えていくかが、医療機関として患者さんの健康を支援する立場である看護師の自己評価を高め、 効果的なストレス対処法を見出す支援になると報告。 |
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看護師が行う禁煙支援 〜禁煙支援を標準看護業務とするために〜 茨城県水戸済生会総合病院 青柳智和氏 看護師は、喫煙の害を熟知し、それを患者さんにきちんと伝えるスキルが必要である。 そのために、禁煙支援の5Aと言われるAsk,Advise,Assess,Assist,Arrangeが必要になってくるが、 もっとも大切なことは、それらを実践するActionであると発言。 「この人は禁煙できないだろう」「時間がないから無理だろう」と決め付けず、ことあることに禁煙の必要性を話す機会を自ら作る姿勢が必要。 ただし、決して押し付けず「失敗してもいい。でもあきらめないで欲しい」と言うスタンスで望んで欲しい。外来で泣きながら「禁煙できました」と握手を求めてきた患者さんが忘れないと言う。 |
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【学会風景】 | |
≪発表の様子と質疑応答≫ | |
それぞれの想い、 それぞれの立場、 全ては、患者さんのために・・・。 |
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≪研修会風景≫ | |
【編集後記】 | |
歴史と文化の街で開催された禁煙指導講習会に参加してきました。 タバコは、400年以上も前から日本に伝えられたものですが、まさかこんなに害があるとは思っていなかったでしょうし、 タバコを断ち切るのにこれほどの多くの人が努力をすることになるとは考えてもいなかったでしょう。 医療従事者は、普通病気になってしまった後、つまり火消しとして活躍するように訓練されています。 しかしながら、火を消す過程で「火事にならないようにするにはどうすればいいのか?」 「そうだ、予防だ」と気がつき、21世紀を迎えた今、こうして予防としての禁煙活動が行われています。 人間らしく生きるために、タバコの無い未来が早く来るといいですね。あおやぎ | |
【取材ならびにHP掲載を希望する学会主催者様へ】 | |
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