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<看護師~ひと~>  インタビュー&お仕事紹介

今回は、高知県仁生会細木病院で頑張る看護師さん2名を取材させていただきました。 がん看護専門看護師で緩和ケア病棟師長である豊田邦江さんと糖尿病療養指導士である片岡典代さんです。 急性期から慢性期、緩和ケアまで診療を行う細木病院で頑張っている二人から、私自身があまり知識の無い分野の話を聞くことができたので非常に勉強になりました。


ページ上段
豊田 邦江さん


ページ下段
片岡 典代さん

仁生会 細木病院

緩和ケア病棟師長
がん専門看護師

豊田 邦江さん
訪問日 平成20年1月18日
【本人紹介】
「答えは患者さんに聞こう」これは、豊田さんが看護を科学そして実践という視点から見たときに見つけた自分の中の心構えだ。 豊田さんは、がんの専門病院で働いていた経験があり、知識を整理し、そして深めるために大学院に進み、現在は、日本でも数少ない「がん専門看護師」として細木病院に勤務している。 実は、公にしているとのことであえて紹介させていただくが、豊田さん自身、就職時の健康診断で「がん」が見つかり、手術を受けた経験がある。 がんの専門看護師として、そしてがんの専門病院で働いていた経歴から、体系化された知識と経験を持つ、そして、自らも身をもってがんを知る。 つまり、「がん」というものの本質を知る看護師であると思う。 自分の経験を後輩に伝え、患者さんに与え、緩和ケア病棟師長として活躍されている。 いかんなくその力を発揮して欲しい。


<明るくきれいな緩和ケア病棟と療養病棟>
ポピーの花言葉は、「七色の愛」「なぐさめ」で、その名のとおり、患者さん一人ひとりの大切な時間や空間をまもれるような環境が提供されている。
この病院のすごさは、「がん専門看護師」がなんと2名もいる。 病院の理解そして、がん専門看護師がここで働きたい思える環境があるということですね。
←面談室には、ポピーがひっそりと。
«豊田 邦江さんにインタビュー»
q
どんな看護にやりがいを感じますか?
a
「管理職」という立場になり、自分自身ではなくスタッフが患者さんに感謝された時が一番嬉しいです。スタッフの評価というのは、チームに対する評価になりますから、これからも、そういう病棟を継続していきたいです。
q
勤務中に心がけていることはありますか?
a
ターミナル期ということで、患者さんは、今日出来たことが明日できるとは限らない。患者さんが望んでいることを感じたいです。今日という日が、患者さんにとって大切な日であることを常に意識しています。
q
看護師としての目標は?
a
がん専門看護師のネットワークの構築や患者会など病院にとどまらず、世の中の動きに合わせて、社会に貢献できるように働きたいですね。
q
10年後の自分は?
a
元気に仕事をしていたい。緩和ケア病棟だけでなく、病院や地域、社会を考えて活躍しているだろう。
q
後輩に対するメッセージをお願いいたします。
a
看護の仕事は面白い。自分が体験したことに様々な角度からアプローチをすることができる。やればきっとできる。迷っているなら一歩踏み出しこの幸せを実感して欲しいです。

仁生会 細木病院

看護師
糖尿病療養指導士

片岡 典代さん
訪問日 平成20年1月23日
【本人紹介】
「糖尿病の学会は楽しい」と話す片岡さん。 糖尿病療養指導士として最初の更新を迎える今年、充実した毎日を送っているようだ。 業務は忙しいが糖尿病、血糖管理というのは患者さんの生活に深く関わっている問題であり決して軽視はできない。 患者さんが無理をしないよう考え、患者さん自身が目標を立てられるような関係でいられるようにしているとのことだった。 今までの経験が、だんだん形になってきた。そして、これからやるべき事も見えてきた。 病院では、糖尿病療養指導士をもった職種が看護師だけではなく、薬剤師や臨床検査技師、理学療法士などが増えてきた(病院全体で14名)。 この連携をさらに発展されるためにも一緒に働く仲間がもっと欲しいそうです。 説明も丁寧で僕にも詳しく教えてくれました。興味のある方、仁生会 細木病院で働いて見ませんか?
<患者さんとの面談の風景>
今回の患者さんは、倦怠感を訴えており、検査結果、血糖やHbA1Cが高めだったことで血糖調節と倦怠感の関連を説明した。 患者さんは、当然医学の素人であり、私たちの常識は通用しない。 しかし、片岡さんは、患者さんを決して否定せずゆっくりとカウンセリングを行った。 日常生活が実際にストレスになっていることが対話の中から見つかり、ゆっくりとのんびり過ごしてみては?と提案したり、外泊などの提案も行った。 患者さんは、最初は否定的な言動も聞かれたが、徐々に心を開き笑顔で面談室を去っていったのが印象的でした。


<片岡さんと病棟スタッフ>
忙しいところをお邪魔してパチリ。
写真左下の村田尚亮医師は、禁煙支援に理解があり禁煙外来も担当している。
«片岡 典代さんにインタビュー»
q
糖尿病療養指導士を目指したきっかけはなんですか?
a
糖尿病の患者さんが増えてきて勉強する必要性を感じていたときに医師に勧められ受験しました。
q
どんな看護にやりがいを感じますか?
a
患者さんの笑顔が見られたときが一番嬉しい。
q
勤務中に心がけていることはありますか?
a
患者さんに対する接遇を常に考えていますね。
q
糖尿病療養指導士としてどのような活動をされていますか?
a
月に1回外来に出て、一人当たり20~30分かけて患者指導を行っています。その中で患者さんの日常生活の問題点を見つけ、医師と情報の共有や情報交換を行って患者さんの血糖管理に関わっています。
q
病院に対して望むことがあれば教えてください。
a
学会などの参加に協力的ですごく助かっています。これからもお願いします。
q
看護師としての目標は?
a
患者さんや、家族に喜んでいただけるような病院を作りたいです。
q
10年後の自分は?
a
変わりなく、患者さんに接していると思いますよ。
q
後輩に対するメッセージをお願いいたします。
a
ひとつひとつ目標をたてて達成していってほしいです。1年ごと振り返っていけば頑張れると思いますよ。一緒に頑張りましょうね。
<患者さんとの面談の風景>
今回の患者さんは、倦怠感を訴えており、検査結果、血糖やHbA1Cが高めだったことで血糖調節と倦怠感の関連を説明した。 患者さんは、当然医学の素人であり、私たちの常識は通用しない。 しかし、片岡さんは、患者さんを決して否定せずゆっくりとカウンセリングを行った。 日常生活が実際にストレスになっていることが対話の中から見つかり、ゆっくりとのんびり過ごしてみては?と提案したり、外泊などの提案も行った。 患者さんは、最初は否定的な言動も聞かれたが、徐々に心を開き笑顔で面談室を去っていったのが印象的でした。


<片岡さんと病棟スタッフ>
忙しいところをお邪魔してパチリ。
写真左下の村田尚亮医師は、禁煙支援に理解があり禁煙外来も担当している。
仁生会 細木病院
所在地 〒780-8535 高知県高知市大善町37
理事長 細木 秀美
院長  山本 博司

≪高知城の西に位置する仁生会 細木病院≫
市内にあるため立体駐車場ならびに南館は道路のはさんでというロケーションであるが、急性期疾患か慢性期疾患、回復期リハビリテーション、緩和ケアと地域住民にとって無くてはならない病院で、幅広く社会に貢献している。 高知県は特に高齢化が進んでおり、細木病院の試みは日本全国の多くの施設の参考になるのではないかと感じる。

【病床数】320床(一般病床184床、療養病棟136床)
【診療科】内科・外科・整形外科・耳鼻咽喉科・小児科・放射線科・泌尿器科・心療内科・麻酔科・
     リウマチ科・脳神経外科・リハビリテーション科・専門外来・緩和外来・健康管理センター
【編集後記】
細木病院は、急性期から慢性期まで医療を行っている。 そうすると当然看護師は多くのことを知らなければいけないわけで時折それが負担となることもある。 そんな中、今回紹介させていただいた二人はもちろん、多くのスタッフが自己研鑽に励み、そしてそれをできる環境を病院が用意してくれている。 何の仕事でもそうだが、「一生勉強」の必要性を分かってくれる施設で働けることは幸せであると感じた。 豊田さん、片岡さん、お忙しい中ありがとうございました。
あおやぎ